児童相談所での面接
支援団体の指示により、地域の民間の養護施設に行って里親の資格を取るべく面接に。
前回も書きましたが、僕達の地域では特別養子縁組をするには、まず里親の資格が必要。
その辺りは民間の支援団体で養子縁組探しをするにしても児童相談所のような公的機関の手続きが必ず必要であるという事です。
資格と言っても筆記試験とかがあるわけでなく、民間の養護施設での面接と子供達と触れ合う実習を経て、養護施設が児童相談所に依頼を上げ、児童相談所が推薦状を都道府県の知事に出して、ようやく得られるものらしいです。
僕自身子育てするにはタイムリミットも迫ってる状況で、また1から面接と更に実習。
で、タイミングも悪いことに世の中コロナパニックの真っ最中で、いつもでしたら面接と実習同時にやったりするんですが、それも日を分けて。
と、いうよりコロナの影響で実習のスケジュールも立てられない状況でした。
制度と世の中がそうなってるから致し方ないといえ、はやる気持ちをどうしても抑えられません。
児童相談所に行くと、感染予防の観点から事務所として使ってる離れの民家に通されました。
僕達を担当してくれるのが、シェパードさんとチワワさん。
個人情報は出せないのでここではワンちゃんの種類にさせて下さい。
シェパードさんは僕より少し年上の男性で、チワワさんは主婦をしながら、このお仕事をされてる様子です。
「書いて頂いたアンケート読ませていただきました」
事前に僕達の生い立ちを渡されたアンケートに記入し、それに沿って面接は行われます。
奥さんと僕と別々に生い立ちから現在までの自分史を語る形で面接がスタートしました。
「ギャハハー!」
面接の最中シェパードさんとチワワさんの笑い声がこだましました。
どうやら僕の事業を始めようとした時の失敗談がツボだったらしく、面接というより漫談大会になりました。
「実は起業に失敗して借金作りましてー。朝昼夜仕事して帰ってたらタクシーに引かれて一年間病院のベッドにいましたー」
「ギャハハー!」
「酔っ払ってタクシーで帰ってたら、お金がなくて、コンビニのATMでお金下ろそうとしたんすが、手元がおぼつかなくて上手く暗証番号押せなかった事に腹たってATM破壊しましたー!」
「ギャハハー!」
「翌日実家に警察から連絡入ったと呼び出され、二日酔いで事情聴取を受けて、おまわりさんにこっぴどく怒られましたー!」
「よ!犯罪者ー!ギャハハー!」
もう出す話題出す話題シェパードさんとチワワさんのウケが凄かったんで、関西人の血が騒ぎ、絶対里親の面接には伏せようとしていた話題もついつい披露してしまいました。
あ、一応誤解を与えないようにいいますと僕事情聴取はされましたけど前科は持ってませんから。
「何を話してたの?」
控室に待機していた奥さんが心配するくらい、面接は盛り上がりました。
恥ずかしい事を洗いざらい話してしまう程、シェパードさんとチワワさんはリラックスして話せるような空気を作ってくれたんだと思います。
このような面接が月に1回程度。やはりコロナのせいでいつもより時間がかかるそうです。
「ようやく支援団体の研修が行われる事になりました」
面接を始めて三ヶ月した頃でした。僕達が最初に問い合わせた民間の支援団体、講義とワークショップを行うそうです。
このように僕達の住む地域では児相と支援団体は綿密に連絡を取り合って、訳あって親と一緒に住めない子供が自立支援出来るように、研修会などを開いてます。
「お二人も参加されては?」
研修では僕達のような子供のいない夫婦が沢山やってくるそうです。みなさんは養子縁組をする事をどう考えてるのだろう?
そんなお互いの交流が出来たらと思い参加に手を上げました。