新しい家族のダイナソーちゃんについて
彼は生まれて1年も経たずに保護されました。
原因は実親の育児放棄。
それが漸く会えたダイナソーちゃんの生い立ち。
簡単に彼の経緯を書き記しておきます。
ダイナソーちゃんは栄養もとれてないガリガリの状態で児童相談所に保護され、即乳児院に入りました。
施設は色々な事情で実親と暮らせない赤ちゃんや、幼児が多数暮らす乳児院です。
通常子供の成長に合わせて児童養護施設に転々とするのですが、コロナ騒動のせいで移動する事もなく、乳児院でずっと暮らす事になりました。
ダイナソーちゃんはそこで成長し、もう幼稚園に通えるお年頃。
コロナ騒動により生まれてからほとんどの時間を隔離された施設で生活を送っていたという事です。
「ダイナソーちゃんは、赤ちゃんの時からずっと保育園にいたような感じで家族を知らない子供です」
児童相談所から説明されました。
この時期に生まれたお子さん達はウイルス対策で自由に暮らせなかったと思います。
不安に支配された世の中の空気をかぎ取って子供達も不安だったでしょう。
でも寄り添ってあげる親がすぐ傍にいました。
ところがダイナソーちゃんは隔離された施設での暮らしだから親に甘える事も出来ません。
彼の実親は乳児院に保護された時は何度か通ったらしいですが、次第に来なくなり、すっかり音信不通になったとの事です。
甘えてもいい親という存在を彼は知らないまま彼は年中さんの年にまで成長しました。
「まずはダイナソーちゃんが安心できる家族関係を築くようにして下さい」
児童相談所からの言葉に身が引き締まりました。
と、同時に正直不安もありました。
今まで体験した社会状況の中で生まれた子供達に安心を与えてあげる事が僕たち夫婦に出来るだろうか?
適当に生きていて何も達成出来てない僕を彼は父親として認めてくれるのだろうか?
「先ずは乳児院に通って親子関係を少しづつ作ってもらいます。先ずは半日の保育から行ってもらいませ。焦らずにいきましょう」
こうして僕たち夫婦は乳児院に通いながら新しい家族との関係作りを始めました。