養子縁組希望の夫婦が集まっての研修その3 試し行動について
3日目はまとめの講習でした。
先日の実際に養子縁組をとった家族の体験談で、試し行動の存在を知り、僕達参加者は養子を取った際に繰り広げられるであろう試し行動に戦々恐々としてました。
子どもが新しい家庭に迎えられた時
「本当に自分のことを受け入れてくれるのか」
と試し行動をとることがあるといいます。
これは多分子供に限った事じゃなく、よく考えたら大人であっても、相手に愛を求める際、無意識に行ってたりするものだと思うので、特別なものではないのかもしれません。
ただ問題なのは、それを行うのが、これから親子の関係を新しく築いていかなければならない子供であるという点。
子供から試し行動を受ける親は、どうしてこんな意地悪するんだろとか、やっぱり血が繋がってないからじゃないだろうか、余計な事を考えてしまうかもしれません。
もし大人の恋人同士なら愛想つかして別れたりする事が出来たりしますが、相手は子供。
特別養子縁組は、親の方から家族関係を切る事が出来ない制度です。
「過食や偏食、わざと牛乳をこぼしたりお漏らしをしたり、時には暴力をふるったり。でもその裏には『こういうことをしても、自分のすべてを受け入れてほしい』という子供の切実な思いがあります。だから子供の試し行動から逃げずに付き合って下さい」
養子縁組に行った子供が試し行動をしてる際に、夫婦はどう対象したか?その模様の写真や動画が会場のモニターに映してその模様を説明してくれました。
お母さんの作った料理を食べなく、スナック菓子ばっかり食べてた子供には、山積みのスナック菓子が与えられてました。
急に道端で寝だした子供には飽きて起き上がるまで見守るお母さんがおられました。
寝る時電気を真っ暗にされた事に怒り、お父さんを叩く子供は、その怒りが収まる迄じっと叩かれてました。
オムツをかえさせてくれない子供は、お尻がかゆくなるまでそのままにして、漸くオムツをかえさせてくれたそうです。
要は子供が飽きる迄付き合ってあげる。
これが必要との事でした。
勿論、いつまでもワガママを許していたら、ろくな大人に育たないでしょう。
でも、親子の信頼関係が生まれて初めて、それはいけないよとしつけを受け入れてくれるようになります。
「思春期になって試し行動がぶり返すケースもあります。でもそれは他の家庭でも子育てに関してはよくある事なのです」
僕達養子縁組の制度を使って家族を作る親は、試し行動を極端に恐れず、子供の気持ちをただ受け止めてあげる事が必要との事でした。
「施設ではおとなしかったのに、家では親の言うことを聞かないということがあります。施設でその子が見せていたのは、その子の一面でしかなかった。子供は親に対して、どんな自分も受け入れてほしい、認めてほしいという思いを抱いているのです」