養子縁組希望の夫婦が集まっての研修その2
研修2日目。
今回は実際に養子縁組が成立した夫婦に体験談を聞くという内容でした。
今回お話をしてくださる夫婦は関西ではなく、東北地方にお住まいで、コロナという事もあり、オンラインで体験談を話して下さる形で、研修はスタートしました。
「私達の住む地域でなかなか養子を募集してる子供が見つからなくて、全国の支援団体に問い合わせてました。その時見つけたのが、毎日新聞で掲載されている愛の手です」
これは関西版だけで行ってる事なのか、ちょっと分かりませんが、毎日新聞の日曜日版で週末里親、養子縁組を探してる情報が載ります。
これを「愛の手」といいます。
インターネットでも記事は見れると思いますので、興味のある方は一度参考にしてみては?
ただネットでは流石に子供の写真は載ってないのですが、新聞では載ってます。
あ、「子供の個人情報を流すなんて酷いわ」と思われた方ご安心下さい。
名前なども大抵偽名ですし、勿論細かい事を言えばキリないですが、とにかく個人情報を特定出来ないように支援団体も気を遣って情報を掲載して、あくまでも親を必要としてる子供と子供がほしい親を引きあわせるキッカケを作っています。
「新聞の記事を取り寄せてまず問い合わせ先に連絡しました」
こちらのご夫婦が手を挙げられ、協議の結果、子供の引き渡し過程に移行していきました。
「子供は児相に保護されていたのですが、電車、新幹線を乗り継いで通いました」
子供はすぐに引き渡すわけではなく、児童相談所で親と子供の関係を築いてから、引き渡せられます。
親子関係を築くのに大抵1ヵ月から3ヵ月くらいかかるそうです。
今回のケースは遠方に住む親が関西の児童相談所に通った形ですから、時間はどうしてもかかったみたいでした。
ご主人がお仕事をされてる為、お母さんが中心に通い、子供が心開いてくれるまで粘り強く関係を築いていったそうです。
そうこうしてるうちに親子関係も出来てきて、引き渡しOKと児相が判断。このご夫婦は車で子供を迎えに行ったそうです。
「車に乗せようとしたのですが、子供は行きたくないとゴネだして、連れて帰るだけでも一苦労でした」
それまで、仲良くやってたのに、急に子供が態度を変え、わがままになる。
これを試し行動といいます。
ざっくり説明すると、子供達は新しく親になる夫婦に本当に私を愛してくれるの?と愛情の確認の為にわざと親を困らせるような事をします。
みなさんも思い出して下さい。
子供の頃わざと好きな人に意地悪しませんでしたか?
まだ大人の付き合い方を知らない頃の恋人同士でわざと相手を困らせる事しませんでしたか?
これも、対象者に自分の存在を認めてくれるのか試す愛情表現の一つらしいです。
この試し行動は養子と育ての親によく起こるケースらしいです。
自分と血の繋がってる実子なら、自分の幼少期を思い出し対応出来ると思うのですが、養子縁組は血の繋がってない子供。
血の繋がりなんか関係ないと頭では分かっていても、どう対処していいか分からなくて混乱してしまうと聞きます。
ま、今回は児相とお別れにグズった形ですが、どんなケースが他にあったかというと
食事は出されたモノは食べずに、お菓子ばっかり食べる。
道で歩いてる時、急に道路で寝る。
深夜号泣し、親の頭を叩く。
赤ちゃんじゃない大きい子供のケース。児相ではひとりでトイレに行けると自慢していた子供が家に来るとトイレ行けなくてオムツをするようになった。排泄物でオムツいっぱいになっても親にオムツをかえさせてくれない。
まだまだ例はいっぱいありますが、この試し行動をどう見守るかで、親子の絆が変わって来るそうです。
その辺りの話は次回に。